ふくらむ
唱えられたモチキンは、その場で大きくふくらみはじめます。
しみっしみの大根は、ナガノ先生の作品「ナガノのくま」に出てくる合言葉です。 コンビニのおでん鍋から現れて人を襲うモチキン(餅巾着/もちきんちゃく)に対して、 声に出して3回唱えると効きます。
効く、というのは穏やかな話ではありません。唱えられたモチキンは、その場でふくらんではじけます。 あとには何も残りません。
2018年10月17日に投稿された「解決策」の回です。
コンビニのおでん鍋からモチキンが次々に現れ、店内が大変なことになっていました。 棚の陰に隠れたくまは、震える手で対処法を検索します。
出てきたのは「もちきんちゃく 怪物」「コンビニで出没多発!!」といった見出しの並ぶ画面。 その中に、こう書かれていました——「しみっしみの大根」て3回唱えるといい。
そのときは、居合わせた別の誰かが先に唱えてくれました。 モチキンはふくらみ、そして、はじけました。
唱えられたモチキンは、その場で大きくふくらみはじめます。
「パン」という音とともに、はじけます。
あとには何も残りません。鍋に戻るわけでもありません。
2022年の回では、動画のコメント欄にこの言葉を書き込まれても、モチキンは平気な顔をしていました。
合言葉が唱えられる前に、うさぎさんが襲われていました。 おでんを注文しただけでした。「大根と……」「焼ちくわとはんぺんと」と頼んでいる、その最中のことです。
うさぎさんはあの恰好のまま救急隊員に運ばれていきます。 そして4年近く経った2022年7月21日の回でも、まだ松葉杖をついていました。 軽い怪我ではなかったようです。
その回で、うさぎさんはモチキンと再会します。 あの日のことを思い出したうさぎさんが、あの言葉を言いかけたところで話は終わります。
この話には、説明されないまま終わる部分があります。
モチキンが片づき、コンビニに平和が訪れました。うさぎさんは運ばれていきましたが、 騒ぎは収まりました。その日の夜のことです。
くまの家の呼び鈴が鳴ります。ピンポーン。 寝ようとしていたくまが、戸を開けに行きます。
そこに立っていたのは——3体のしみっしみの大根でした。
くまの悲鳴で、この話は終わります。 なぜ来たのか、何者なのか、その後どうなったのかは、いっさい説明されていません。 モチキンを倒すための言葉だったはずのものが、3体になって訪ねてくる。それだけです。
ここまでの話は、すべてナガノ先生が投稿された漫画そのままです。 当サイトでは、モチキンの出てくる回を投稿された順に並べて、そのまま読めるようにしています。